医薬品開発におけるICHの進展に伴い、近年、医薬品の世界同時開発が急速に進んできました。本邦においても、医薬品医療機器総合機構の統計では、平成28年度の国際共同治験の実施数は我が国の治験計画届数の37%を占めており、その数は増加傾向にあります。2014年末に日本CRO協会所属のCRAを対象に実施したアンケート調査では、約半数のCRAが何らかの形で業務の中で英語を使用する場面に関わっていました。一方、医療機関で国際共同治験に関わる英語を必要とする実務が着実に増加してきています。直接海外の担当者と英語で緊急副作用報告に関するやりとりをしなければならない場面も出てきています。
詳しく
このように、製薬会社、CRO、医療機関において治験業務に携わるあらゆる職種の担当者に対して、英語を用いた業務に対応できる人材が求められています。今後、日本における臨床試験オペレーションの水準が世界で実施されているレベルに匹敵するよう維持していくためにも、今や治験実務英語の習得は、個人の職業上の財産となるのみならず、日本の「治験先進国」の地位を維持、向上させていくためにも必須のスキルとなっています。
このような中、日本CRO協会では実務英語能力を有した人材の育成に3年前から本格的に取り組んでおり、主にCRAを対象に、モニタリング報告書を英語で記載するためのスキル習得を目指す集合研修を毎年開催してきました。こうした背景から、当協会では広く治験実務で働く方々を対象に、治験実務英語学習の指標、励みとなれるような「治験実務英語検定制度」を設立することといたしました。CROのみならず製薬会社の方、CRCの方など、治験に携わるすべての方々のために、価値ある大きな財産となれることを目指してまいります。
制度に関するパンフレット(789kb)
医薬品開発業務に必要な英語スキルの向上を目的とした、国際共同治験等の実務上の英語力の指標となる治験実務英語検定試験です。当制度は、日本CRO協会が主催し、翻訳事業や英文ライティング研修を手掛ける(株)サン・フレアと協力して運用します。
治験実務英語検定試験は以下の3コースで構成しています。
各コースの能力項目は以下の通りです。
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Basic |
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Advanced |
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Professional |
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凡例
◎:通常の治験で使用される単語なら辞書なしで読書き、リスニングともに対応可能
○:辞書を駆使すれば、読み書き、リスニングともに完全ではないが対応可能
-:適応外
TOEIC | 医薬品開発業務に係わる実務経験 | |
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Basic | 400点以上 | ― |
Advanced | 600点以上 | 1年以上が望ましい |
※Professionalコースについては、現在、内容の詳細を検討中です。スタート時期については未定です。
各コースとも年齢・職業・学歴は問いません。 受験可能なインターネット環境、PCをお持ちの方であれば、どなたでも受験可能です。
協会員 | 非会員 | |
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Basic | 6,000円 | 8,000円 |
Advanced | 9,000円(CRA認定者は初回のみ3,000円) | 12,000円 |
(消費税別)
※Professionalコースについては、未定です。