日本CRO協会CRA認定制度は、臨床研究および臨床試験に携わる者がモニタリング活動を実施する上で必要なGCPを始めとした法規制やルールおよび倫理に関して最新の知識を習得することを目的とした制度です。コロナ禍のため、2020年以降はCRA認定試験をオンライン形式で実施してきましたが、3年が経過してコロナ禍も落ち 着き、以前の生活様式に戻ってきたことから、厳格性、利便性また、協会外の方及び学生等、より多くの方に受験していただくことを考え合わせ、2023年度よりCRA認定試験の実施方法を改めて従来の試験会場における試験に戻しました。2023年度は、2023年9月2日に第28回、2024年3月2日に第29回の「日本CRO協会CRA認定試験」が行われ、それぞれ239人、193人が受験しました。試験の結果は、スライドに示す通りです。我が国の治験を取り巻く環境は規制の改定、希少疾患開発の増大、治験の複雑化、業務の効率化に伴う臨床試験の手法の変化等、劇的に変化しています。このような環境の中でも、臨床開発を着実に進めるためには、倫理性・科学性に立脚した正確な評価のための治験や臨床研究の実施が必要不可欠です。CRAにとって、そのための知識を習得する手段として、「日本CRO協会 認定CRA基本問題・解説集」の利用とともに、本CRA認定試験をぜひ活用していただきたいと考えています。治験実務英語検定制度は、日本CRO協会が主催し、株式会社サン・フレアと共同で運営する治験に特化した英語の検定試験であり、2015年度に本試験を開始してから2023年度で9年目となりました。本検定はCRAやCRCの方々が業務で扱う様々な場面での英語の使用を想定し出題しています。試験にはBasicとAdvancedの2種類のコースがあり、いずれもWEBにて実施されます。Basicコースはライティングおよび読解の2技能を対象にした検定試験であり、治験実務で用いられる英語の基礎をきちんと理解しているかを問う試験となっています。Advancedコースはリスニング、読解、英訳の3技能を対象にした検定試験で、Basicコースに比べ難易度が高い試験です。また、いずれのコースも一部の設問がCRA用とCRC用で異なり、より実務に沿った出題となっています。2023年度においては、2023年12月3日に第8回Basicコース、2024年2月4日に第9回Advancedコースの試験が行われ、合格率はそれぞれ88.9%、56.3%でした。各回の受験者数と合格率はスライドに示す通りです。医薬品の臨床開発では、グローバル試験はすでに一般的になっています。そこでは、英語が共通語として用いられており、臨床開発担当者(CRA、CRCを含む)には、業務を迅速かつ的確に遂行するための英語のスキルが益々求められる時代となっています。日本の国際競争力を向上させるためにも、この治験実務英語検定制度をより広く浸透させてゆきたいと考えています。Japan CRO Association Annual Report 202419 2023年度活動内容 2024年度の課題 2023年度活動内容 2024年度の課題CRA認定制度検討委員会治験実務英語検定制度実行委員会2023年度よりCRA認定試験をオンライン実施から従来形式の試験会場での実施へグローバル試験での国際競争力向上のため、検定制度の浸透を目指す
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