Japan CRO Association Annual Report 2023
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◆ 2023年度の活動方針および メンバー募集方針策定◆毎月1回行われるリモート会合にて、以下項目について検討• DDCによるデータマネジメントのあり方• ITソリューションが、データマネジメントのプロセスに与える影響• CDASHはデータマネジメントに必要か?◆「CDISC・J3C代表の日本オラクル相馬氏による講演会」を実施◆ 日本国内におけるRWD/RWEを使用して当局の承認申請がおりた事例研究6品目の申請内容およびその方法、RWD/RWEはどう使われていたかについて調べました。例えば、2007年にマイオザイムは国内で新たな試験を行わずに、外部対照群(historical control)と海外の医療記録を利用して申請を行い、新有効成分が承認されました。これにより、日本国内のポンペ病新生児患者に使えるようになり、生存率が大幅に上昇しています。活用する際の参考資料を作成していければと思います。また、新しいメンバーを募集して、2023年度では統計分科会のメンバー数が10名になり、課題も新しく設けられたので、多様な意見、ノーハウを交換しながらお互いの成長に繋げていくことができればと考えております。2022年6月に、統計解析業務に関連するどんなテーマに興味があるかというアンケートをCRO協会会員に配信。その回答における上位3つを2023年度の活動方針に決定しました。さらに、メンバー募集方針も策定しています。20ワーキンググループ【データサイエンス/DM分科会】治験におけるDM(データマネージメント)業務の果たすべき役割を検討し、周知する   2022年度の活動内容ワーキンググループ【データサイエンス/統計分科会】RWD(リアルワールドデータ)、RWE(リアルワールドエビデンス)の活用事例を研究   リーダー総括DDC、ウエアラブルデバイスによるデータ取得やDCTといった様々なITをベースにしたソリューションが出現し、データマネジメントはどのように対応すべきなのかといった課題に対して、なかなかテーマの定まらなかった1年でした。テーマの絞り込みのディスカッションを繰り返す中で、データマネジメントの本質的な役割は何かといった議論も行われました。ITの普及によりデータの取得方法が変化したとしても、得られたデータの品質保証や信頼性の保証を担うことがデータマネジメント本来の役割であり、データを取得し、標準化するプロセスそのものの本質的な見直しを行うこと、データのトレーサビリティを確保することが重要ではないかという議論が行われました。そのために、改めてCDASHの必要性を見直そうということになり、2月にはCDISC・J3Cで代表を務める日本オラクルの相馬氏にCDASHの重要性、必要性、有用性に関して講演いただき議論いたしました。新年度は、このCDASHをもう少し深堀し、普及していくためには何が必要なのかについての検討を進める予定です。また、DDCから始まったITソリューションに対するデータマネジメントのあり方の検討では、DCTといったITツールを駆使した革新的な治験へのアプローチの中でデータマネジメントはどのような役割を担うのかといった視点での議論につなげていければと考えています。   2022年度の活動内容   リーダー総括2021年度の課題のうち、国内の申請事例を引き続き深堀してメンバーと活発に議論し続けています。2022年度中にRWD/RWEの活用事例を深堀したことで、希少疾患などプラセボ群がおけない薬や療法に有効で、開発のコストダウンが図れるといったメリットなどもより明確に把握できたと思います。今後は事例研究の結果からRWD/RWE   メンバーからのコメントRBA、QbDといった治験の効率化と品質保証を共に実現しようとする流れの中で、データマネジメントの役割を明確にし、新たなプロセスをどのように担っていったらよいのか、次世代のDMのあり方を模索していきたいと思っています。   2023年度の活動方針・課題DCTをメインに以下テーマに取り組みます。■ DCTにおけるデータマネジメントの役割DCTについて、実施の際のDMの役割・責任とは何か、DCTに拘わらずDMが本来担うべき役割・責任とは何かを検討します。■ データマネジメントにおけるCDASHの必要性及び普及社内のプロセスとしてCDASHがどのように組み込まれているのかを確認します。REPORT

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