Japan CRO Association Annual Report 2023
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Japan CRO Association Annual Report 2023◆ 個別テーマを設定した メンバー間のディスカッション2020年から始まった新型コロナウイルス感染症の感染拡大による臨床試験への影響も、当初に比べると少なくなってまいりましたが、コロナ禍を経て臨床試験の手法そのものが大きな変革期を迎えています。さらにICH-GCP E6(R2)、E8(R1)の施行、そして今後のICH-GCP E6 (R3)の改正というような、GCP Renovationが行われることによりモニタリングのあり方も大きな変化を示しています。そうした変化に適応し現場の様々な課題を解決することができるCRAの育成、現場のプレーヤーを多く抱える日本CRO協会としての業界への提言、関連団体とのコラボレーションによる治験活性化を目標とし、日本における臨床開発のさらなる発展に寄与していきたいと考えています。2022年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大と収束を繰り返していましたが、収束に向かっていることは確実です。ただし、コロナ禍で急速に各種デジタル化、オンライン化が進んだものの、まだNew Normalまでには至っておらず、一部はコロナ禍前に戻っている手法もあります。現在は、品質を確保しつつも、効率的な手法が今後New Normalになっていく分岐点にあると思いますので、モニタリングWGとしてCRAが迷わないように治験環境を確認しつつ、CRA業務のサポートとなる情報を発信することに努めていきたいと思います。◆RBM advanceICH-GCP E6(R2)の改訂とともに、日本でも「リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について」(2019)が発表され、近年ではRBMはスタンダードな手法になってきています。しかし、課題はまだ多くあり、概念の浸透は継続して実施していく必要があると考えています。そのため、2022年は依頼者/医療機関双方の役割分担の明確化に着目し、RBM経験の浅いCRA及びCRCを対象とした第3回RBM初級研修を企画・開催しました。◆メルマガ発行モニタリングWG(ワーキンググループ)では、2015年より日本CRO協会CRA認定試験受講者対象に、3ヵ月に1度の頻度での発行を継続しています。急速に変化していく治験環境に対応するための一助となるよう、ホットトピックスをテーマとした協会外の方からの寄稿文や用語説明、英語翻訳の留意点、GCPテストからみる間違いやすい点の共有等を発信しています。今年は、各社CRAそれぞれが持っている疑問を収集するため、座談会を開催しました。■ RBM advance過去3回開催した研修から、CRAとCRC間の相互理解が強く求められています。RBM経験者は年々増加していますが、概念の浸透は持続的な機会提供が不可欠ですので、研修は今年度も実施する予定です。今年はRBMのみにフォーカスというよりも、QMS目線などのより俯瞰的な視野でRBMをとらえた内容を検討していきます。■ 他団体コラボSMO協会とのコラボ企画を進めていましたが、2022年度では企画をまとめることができませんでした。しかし、NHO近畿グループCRC研修会や東京都病院薬剤師会の研修会に講師として参加する等、「CRO CRA」の視点の重要性は高まってきていると感じます。RBMに関わらず、CRAとCRC間の相互理解は治験を適正・円滑に実施していくためには不可欠な要素のため、SMO協会等とも協力し、継続的に他団体とのコラボを検討していきます。■ Monitoring Renovation引き続き、次世代モニターに必要なスキルやマインドを検討し、CRA向けレポートを作成する予定です。モニタリングWGでは、毎月1回のモニタリングWG会議の際に、毎回持ち回りにてディスカッションテーマを決めて、各社の疑問や悩みについて、会社の壁を越えて議論を行っています。今年は、毎回30分程度をディスカッションに費やし、各社意見交換を活発に行いました。(ディスカッションテーマ:知識向上のトレーニング方法、施設選定時の準備事項、担当引継ぎ方法、コロナ禍における被験者リクルート方法、モニタリング業務のトラッキング…etc.)19   2022年度の活動内容   リーダー総括   メンバーからのコメント  2023年度の活動方針・課題ワーキンググループ【モニタリング】治験環境の変化をにらみ、モニタリングに関する研修や情報発信に尽力

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