Japan CRO Association Annual Report 2022
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Japan CRO Association Annual Report 2022基礎研究では日本は米国・英国に次いで世界3位と高いレベルにありますが、残念ながら臨床研究に目を転じると、同じ時期に発表された論文数では世界18位※となっています。このような視点から、日本は臨床研究後進国である言われています。私たちCROは、臨床試験の品質確保、向上、効率化に向けた支援を実施することが可能です。臨床研究においても、特定臨床研究の全体を把握するための全体フロー図を作成する等、私たちの支援によって品質を向上させるのと同時に、日本における臨床研究の実施の数を増やし、海外へのより優れたエビデンスの発信をお手伝いできることと信じています。※高鳥登志郎:わが国における臨床医学研究の現状と国際比較.政策研ニュース No.25,pp 18-23,2008臨床研究法およびその周辺知識の習得、治験と臨床研究の支援における相違点の確認、医療現場における臨床研究支援において医療機関・医薬医療機器メーカー・SMO・各ベンダー等の医師や関係者といった方々と様々な協議を行いながら臨床研究法の解釈に四苦八苦しつつ臨床研究支援を行ってきた経験の共有、今後の臨床研究の動向に関する勉強会等々。臨床研究法が施行されてから約4年が経過し、CROの一員として多くの知識習得と様々な経験を積むことができました。臨床研究WGに参加するメンバーも年毎に増えていき、活発なWGになりつつあると感じています。今後も、臨床研究支援の質の向上に努めていきたいと考えています。◆臨床研究フロー作成臨床研究法が2018年4月1日に施行されたのを契機に、臨床研究WGでは臨床研究の企画・立案から研究の終了(総括報告書作成、情報公開、監査等)までのフローを作成しています。2021年度はプロセスの見直し等を検討し、CROが臨床研究支援を遂行するために必要な事項を整理しました。◆安全性情報に関する対応検討臨床研究WGでは、臨床研究法が施行時より安全性情報に関する支援の重要性をテーマとして取り上げ、対応について検討してきました。研究者主導の臨床研究における安全性情報の取扱いに関する文献検索や学習を行い、特定臨床研究における疾病等又は不具合が発生した場合のフローの作成準備等を進め、CROとして支援可能な業務について検討を行っています。■ 臨床研究フロー(2021年作成)の中から個別詳細資料作成特定臨床研究においては、法律の下で研究責任(代表)医師が果たすべき役割が多く、GCPと異なる知識や経験が必要となるため、研究協力者やCROの質の高い支援が求められています。2021年度に作成した臨床研究フローの中から臨床研究を進める上での重要なポイントを明確にし、個別に詳細資料を作成。迅速かつ的確な支援を行うよう努めていきたいと考えています。■ 臨床研究法の見直しに関する最新情報の収集と共有2021年度に引き続き、今後の臨床研究法の見直しに向けて、多くの情報が公開されています。それらの情報を臨床研究WGメンバーで学習し、知識習得と今後の支援のあり方について検討を進めています。■ 臨床研究WG参加各社のスキルボトムアップ• 臨床研究法施行より臨床研究支援の現場で経験した事例についてケーススタディで協議したり、臨床研究に関する最新の情報を共有して勉強会を行う等、メンバーのスキルをボトムアップする取り組みに注力します。◆厚生科学審議会(臨床研究部会)の 動向把握2021年度は厚生労働省_厚生科学審議会(臨床研究部会)の活動が活発な年であり、今後の臨床研究法の見直しに向けて、多くの情報が公開されています。それらの情報を臨床研究WGメンバーで学習し、知識習得と今後の支援のあり方について検討を進めています。25   2021年度の活動内容   リーダー総括   メンバーからのコメント   2022年度の活動方針・課題ワーキンググループ【臨床研究】日本における臨床研究の効率化と品質の確保、向上を支援

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