検定試験の総括と全体講評(2016年度)

第2回 Advancedコース治験実務英語検定の総括と講評

全体総評

本Advancedコースはリスニング、読解、英訳課題と3技能を対象にした検定試験です。合格者された方々の傾向を見てみますと、リスニング、読解、短文英訳のそれぞれで平均以上の点数を獲得され、かつ、長文英訳課題でも半分以上の得点率となっていました。合格するには、バランスよく3技能を習得しておく必要があります。
本検定はCRAやCRCの方々が業務で扱う様々な場面での英語の使用を想定し出題しています。一部課題はCRAもしくはCRCいずれかの業務で扱う場面から出題しています(例:CRA向け:モニタリング報告書)。
採点時には、日本語の出題文の内容をよく理解し、日本語の内容を英文で過不足なくきちんと伝えられているかの判断に重点をおいています。なお、表現の自然さを考えた上での意訳などは減点対象にしていません。
リスニングでは優秀な成績を修めた方が多くいらっしゃいました。英文和訳および英訳課題では点数が伸び悩んだ方が散見されました。英訳課題を多く出題していますので、英訳をしっかりと習得できていないと合格するのは難しいでしょう。
2時間という限られた時間内で様々な課題に取り組む必要があるため、不明な語句や文法事項などを詳しく調べる時間はあまりありません。基本的な英文法や英語構文、和訳や英訳のテクニックなどはきちんと習得をしておく必要があります。例えば、今回の英訳課題では、頻出表現やコロケーションをきちんと覚えていない、自動詞と他動詞の区別がついていない、時制が意識できていないなど基本的な事項の誤りが散見されました。ひとつひとつは小さな誤りでも積み重なると読み手が情報を読み取れない可能性があります。また、文を読むリズムが悪くなり、読みにくい文章となります。
長文英訳課題では答案を一部しか作成できていない方がいたこともあり、得点率が他の課題と比べると低くなっています。試験時間内に長文英訳課題をきちんと最後まで取り組むことができなかった方が多くいらっしゃいました。合格レベルまで到達するには、試験全体の時間配分を考え、長文英訳課題にも最後まで取り組めるようにする必要があります。
語学習得は日々の積み重ねが重要になります。また、学習したことを業務などで繰り返し使用することで見つけることができます。業務であまり使うことがない方がたは、同僚や友人と英語でコミュニケーションを取る場を設けるなど、英語に触れる機会をつくるようにしましょう。

リスニング(出題数:15、得点率:75.7%)

リスニングは電話会議や2者間、3者間の会話などの聞き取りを出題しました。
状況をきちんと聞き取り、適切に解答できている方が多くいらっしゃいました。
ただし、聞き取り時間が長い課題や類似した選択肢から回答する課題の正答率は低くなっていました。ある程度長さのあるリスニングや内容理解を深めることに慣れておく必要があります。

読解(出題数:2、得点率:55.6%)

読解では、英文和訳課題と選択肢から正解を選ぶ課題の2パターンを出題しました。
英文和訳課題では単語を誤解していたり、係り受けが不明瞭となっていたり、重要な点が訳し漏れていたりすることがありました。英文で書かれた情報を抜け漏れなく日本語で表現できるようにしましょう。
選択肢から正解を選ぶ課題では、英語の長文を限られた時間内で読み取り、設問に答える必要がありました。日頃から英文に慣れ、読解の速度を上げるなどして、長文課題への対応力を高めておく必要があります。

短文英訳(出題数:15、得点率:56.4%)

1文もしくは2文程度の日本語を英訳する課題を出題しました。1つの課題にかけられる時間が限られた中できちんと英訳できるかを問う課題でした。
課題ごとに見ていくと、日本語で書かれた状況を読み手に誤解を与えない英文で書けている方が多くいましたが、すべての課題に取り組めた方は多くいませんでした。
業務で頻出する表現を中心に出題しましたので、よく用いる表現は復習しておきましょう。時間内で課題を終わらせるには、それぞれの場面で用いる適切な動詞やその動詞が取りえる構文(自動詞/他動詞用法、that節を取れるか、前置詞など)をしっかり習得しておくことが必要になります。

長文英訳(出題数:3、得点率:28.4%)

1つの場面を説明する日本語を英訳する課題を出題しました。ある程度の長さがある文章をきちんと構成し、英文で表現できるかを問う課題でした。
すべての課題に取り組めた方は少数でした。取り組まれた方の多くは全体の構成を把握し、前後関係も意識して英訳できていました。細かい点でミスは見受けられましたが、情報の伝達は十分に行えていました。
短文とは異なり、長文では1文ごとの正確さに加え、前後関係を考えて英訳する必要があります。論理展開がしっかりとできているか考えながら英訳できるようにしましょう。

英訳問題での特徴的な誤りをいくつか紹介します。
  • 患者は、a patient with [疾患]で表すことができます。喘息患者は、a patient with asthmaとなります。
  • 入院する動作を表す場合には、be admitted toで表します。入院している状態を表す場合には、be hospitalized inで表します。
  • 月、日などにつける前置詞に誤りが散見されました(例:at [時間]、on [日付]、in [月]、in [年])。
  • 口語表現が見受けられました。報告書などでは口語表現を避け、よりフォーマルな表現を使用しましょう(例:文頭のbutは使用を避け、howeverなどで表現する)。
  • 時制が疎かになっているケースが散見されました。モニタリング報告書は過去の事柄を報告する性質上、多くを過去時制で書くことになります(例:The CRA confirmed [事柄] with [人])。

第1回 Basicコース治験実務英語検定の総括と講評

全体総評

本Basicコースはライティングおよび読解の2技能を対象にした検定試験です。治験実務で用いられる英語の基礎をきちんと理解しているかを問う試験となっています。設問はすべて選択式で出題します。
合格者された方々の傾向を見てみますと、ライティング技能を測る単語補充、並び替え、文章補充、および読解のそれぞれで7割以上を正解されていました。試験に合格するには、英語の基礎を習得し、治験分野の英語に慣れておく必要があります。
本検定はCRAやCRCの方々が業務で扱う様々な場面での英語の使用を想定し出題しています。一部課題はCRAもしくはCRCいずれかの業務で扱う場面から出題しています(例:CRA向け:モニタリング報告書)。
1時間という限られた時間内で様々な課題に取り組む必要があるため、設問を的確かつ迅速に読み解き正解を導く必要があります。文法事項などを調べる時間はあまりありません。基本的な英文法や英語構文などはきちんと習得をしておく必要があります。例えば、今回の文章補充課題では、主語と述語の一致を問う設問がいくつかありましたが、多くの方が不正解となっていました。主語と述語が離れている場合には、主語は何か、また述語は単複どちらで受けるのかをしっかりと見極める必要があります。また、自動詞と他動詞の区別がついていないなどの誤りも散見されました。
語学習得は日々学習を継続することが大切です。治験分野以外でも、ご自身が興味のあるテーマ(動物やスポーツなどでも結構です)をインターネットなどで調べてみたり、雑誌を読んでみたりしてみてはいかがでしょうか。

単語補充(出題数:12、得点率:73.0%)

選択肢から1語ないしは数語の英単語を括弧に補い、文を完成させる課題を出題しました。
選択肢には、動詞や名詞、形容詞などがあります。動詞では、自動詞と他動詞を区別したり、コロケーションや動詞の活用を判断したりする必要があります。括弧の前後関係などをすばやく読み解き、正解を導く練習をしましょう。

並び替え(出題数:9、得点率:83.0%)

日本語課題文1文程度に対し、英単語の選択肢を並び替えて英訳する課題を出題しました。英文を構成する力が試される課題で、英語の基本5文型をしっかりと理解できていれば正解を導くことができる設問です。
文と文を接続詞でつなぐ設問がありましたが、他の設問に比べて正解率が低くなっていました。1文の構成だけではなく、接続詞の用い方を理解し、文章全体の構成にも注意してライティング技能を向上させましょう。

文章補充(出題数:9、得点率:65.0%)

日本語課題文1文程度に対し、内容を過不足なく説明している英文を選択する課題を出題しました。単語の意味や動詞、接続詞の用法などを問う設問ですので、総合的に英語を理解しておく必要があります。
時系列で事柄を説明する設問がありましたが、他の設問に比べて正解率が低くなっていました。事柄を時系列に順を追って説明することはよくあります。頻出する記載内容は慣れておきましょう。

読解(出題数:6、得点率:82.0%)

いくつかの英文センテンスで構成された課題文を読解し、内容を理解しているか選択肢から正解を選ぶ課題を出題しました。
限られた時間内で課題に取り組む必要があり、英文で書かれた内容を短時間で読み解く必要があります。課題文はそれほど難しい内容ではありませんので、治験分野の英文読解に慣れていれば正解を導くことができる設問です。